2020/11/19
「奇蹟がくれた数式」
10月×日
この日は和食メニュー。
サンマが売り切れてたということで小骨の多い白身魚、豚汁などでビール2缶。
ホームシアターは「奇蹟がくれた数式」2015年のイギリス映画。
この作品は実話である。
国籍も身分も宗教も年齢も越えて、学問で結ばれた男同士の物語が情感たっぷりに描かれている。
ラマヌジャンはインドの小村マドラスで暮らしていたが、
数学の才が認められ英国ケンブリッジ大学に論文を送る。
そしてその論文が教授のハーディの目にとまり、ケンブリッジに招かれる。
時は第一次世界大戦前夜であり、人種差別の壁が高く、ぶ厚く立ちふさがっており、
ハーディとラマヌジャンはいわれなき弾圧に苦しむのである。
ラマヌジャンに扮するのが「スラムドッグ・ミリオネヤ」などで世界的名声を手にしているデブ・パテル。
彼は少年から青年へと成長し、確かな演技力で天才数学者を見事に演じ切っていた。
そのラマヌジャンを支援する教授ハーディ役は名優ジェレミー・アイアンズが受け持った。
彼は武骨で社交性の欠落した、学問だけがよりどころの学者だが、
それだけにラマヌジャンの才能に天才の萌芽を見出し、立ちはだかる権威に立ち向かう。
ちょうどマスコミや野党が「学術会議」の件であれこれとかまびすしくしているため、
彼らの労苦がより現実味を持って伝わってきた。
監督マシュー・ブラウンの演出、詩的な台詞の数々、巧みなカメラワーク、
英国映画の芸術性をいかんなく堪能できる佳作であった。
ハーディは言う。
「愛情の問題については、それを決定づける証明も法則もない。それだけは確かだ」。
「いい友人になれなくて済まなかった」。
4.0点
私は妻に言った。
「いい夫になれなくて済まなかった」と…。
そしてこういう答えが返ってきた。
「今さらなんね?」。
秋冷が少し増してきたようだ。
ノエル
「パチョコンで数式を勉強したじょ…」