2020/10/07
「サラの鍵」
9月✕日
毎度同じような料理で恐縮ですが、
この夏の残暑はことのほか厳しく、このような軽めのメニューで腹を満たしておりました。
さて、この日のホームシアターは
「サラの鍵」2010年/フランス映画/3.8点
ホロコーストを扱った映画で、
ユダヤ人の少女サラの家族がナチの汚れた手でずたずたに引き裂かれる物語です。
映画の時計は1940年代と現代とを行き来します。
ある日サラの家にナチの捜査が入ります。
とっさにサラは弟を納戸の中に隠します。そしてそのことがこの映画のタイトルとつながり、のちのち重要な意味を持ちます。
その後ユダヤ人が集められた競技場で家族はバラバラになります。
そしてそれぞれの人生に待ち受けていたものが描かれます。
話は現代に戻ります。
ふとしたことでこの不幸な家族の運命を知った女性ジャーナリスト(クリスティン・スコット・トーマス)が、
執拗にサラの足取りを取材し始めます。
そしてたどり着いた現実とは…。
サラの少女時代を演ずるメリージュ・マヤンヌの採りたての果実のような美しさ。
ヨーロッパ映画は時としてこのように、作り物のように美しい娘をスクリーンに登場させてくれます。
取材のためサラを追い求める女性ジャーナリストが、
ここまでして取材をする動機にもう少し強いものがあったら、
文句なしの名作になっていたでありましょう。
監督のジル・パケ=ブランネールはなかなか手堅い仕事をしたものです。
ノエル
「ボクのケージの鍵を失くさないでね…」
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