2020/08/30
「サウルの息子」
いつものようにクラフトビールでキックオフ!
この頃は桃が美味しい季節でした
カプレーゼ
アスパラとしめじのソテー
イタリア・ヴェネト州の白ワイン…ヴィアンコを開けました
さてホームシアターは
「サウルの息子」2015年/ハンガリー映画/3.4点
カンヌ映画祭でグランプリを受賞しています。
アウシュビッツが舞台です。
この手の作品は虐待を受けるユダヤ人に共感を覚えるケースが多いんですが、
本作はなぜかもうひとつのめり込めませんでした…。
期待が大きかっただけにやや残念な作品リストに入りました。
なぜでしょうか…少しストーリーを追ってみたいと思います。
サウルはガス室で殺された息子の死体を捜し出し、
ユダヤ式の葬儀で供養してやりたいと収容所の中を奔走します。
でもなかなか思うように事が運びません。
野外労働に出た時も息子の死体を探し回り、監視員から目を付けられます。
サウルは息子を見つけるために命がけで頑張りますが…
生前のこの息子と父親との情愛を示すシーンがあればもっと感情移入できたかもです。
どうやらそれが感情移入できない原因だったようです。
一説によると、そもそもその少年は自分の息子ではなく、
ユダヤ式の葬儀を出すことでユダヤ人の誇りを示そうとしていたとも言われていますが…
…映画の中では一切語られません。
映画のラストは伏せておきますが、いくつか興味深い点がありました。
まずユダヤの囚人の中にもランクがあって、
死体処理やガス室掃除をさせられるのはハンガリー人だったんだそうですよ。
また残虐なシーンを遠近法を使ったぼかし映像で映し出し、
観客の想像に任せた点には大変共感できました。
さらに映画のテンポが「ニーチェの馬」に似ているなあと思ったら、
監督のメネシュ・ラースローは「ニーチェの馬」の監督・タルベーラの助手を務めていたとのこと。
納得!
ノエル「ボクは…おとうたんの息子だじょ…」