2020/11/14
「手紙は憶えている」
10月✕日
白身魚の西京焼きでクラフトビール2缶ほど。
ホームシアターは「手紙は憶えている」2015年/カナダ・ドイツ映画。
アイラモルトを舐めながら、実によく練られたサスペンスを堪能した。
主役陣の平均年齢が83歳だからと言って、この作品は老齢俳優の在庫処分市では断じてない。
むしろ歳を重ねていることに大きな意味を持つ作品なのだ。
クリストファー・プラマーが淡々と演じるゼブは認知症施設に入っている。
彼は同じ入所者のマックス(マーティン・ランドー好演)のすすめもあって、
嘗てアウシュビッツ収容所で家族を塵殺した、看守「ルディ・コランダー」への復讐の旅に出るのである。
ところが調べていくうちに「ルディ・コランダー」なる人物が4人いることがわかる。
ひとりずつ丹念に探し出していくのだが、最後にはとてつもない驚愕の事実に行き当たるのである。
久しぶりにスカッとだまされて、サスペンス映画の醍醐味を味わった
クリストファー・プラマー86歳。マーティン・ランドー87歳。ブルーノ・ガンツ74歳。
いずれも熟練工の技を見せてくれた(その後ふたりは鬼籍に入る)。
脚本もさることながら、役者の演技力に観客は引き込まれる。
監督のアトム・エゴヤンとは初対面だったが、上品なサスペンスのかけ方は私を大いに満足させてくれた。
観終わったあと、秋風の爽籟(そうらい)が心地よい夜と知った。
小さなホームシアターも居心地のいいものだ。
4.0点
ノエル
「おとうたん…そろそろ毛布を出そうかにい…」
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