2020/02/20
最近の葬儀事情
最近後進に道を譲り始めたとはいえ、
これまで5000件以上の葬儀司会を勤めてきた経験上申しますと、
昔と比べて葬儀司会も随分変わってきました。
まず、決定的なのは「司会者不要」と言う葬儀も見られるようになってきたこと。
「参列者も身内だけなのでマイクでのアナウンスはいりません」とおっしゃるお客様がいらっしゃいます。
このような場合は、担当者が口頭でお式の進行を務めています。
司会がある場合でも、まず感じるのは弔電の数が激減しました。
昔は時間内で読みきれないことは当たり前で、式の最中に弔電が届くこともしょっちゅうでした。
それからすると最近の弔電の数は1/3程度でしょうか。
その一方で増えてきたのが故人へ贈るお手紙の朗読です。
弔電より長文の上、気持ちのこもった文章なので司会者の腕の見せ所となっています。
また焼香の際お名前を読み上げる指名焼香も減りました。
最近は「喪主様よりお願いします」とだけアナウンスするケースが増えています。
家族構成など世間に知られたくないと言う思いもあるんでしょう。
さらには弔辞の送呈もよほどのことがない限り見られなくなりました。
以前は大規模なご葬儀には付き物でしたが…。
このように変化した理由の一つにご葬儀の簡素化があげられます。
特に告別式当日の参列者が減っています。
参列者が少ないので演出も控えめにと言うのは自然の流れのようです。
そしてその反動でお通夜の弔問客が増えています。
昭和の終わりころまでは、
お通夜は受付も設えず、通夜司会もなかったのですが…随分変わったものです。
これらはほんの一例で、今後葬儀の行方がこれからどうなるのか、
私たち専門家でも予想がつきません。
とは申せ、形は変わっても故人を偲ぶご家族の思いは不変です。
これからは更に多様性のある葬儀サービスの提供が私たちに求められています。
ノエル「おとうたんのお葬式ではボクが弔辞を読んであげるね…」
2月21日(金)午後1時30分からFM宮崎「Bunnyのナツウタ」に生出演します。
当日は葬儀についてお話をしますのでお聴きいただくと嬉しいです。