2020/02/13
お葬式豆知識 「神葬祭」
神葬祭(神式でのご葬儀)でいきなり式場が暗点となり、
雅楽が流れる中、斎主が「うーー」と声をあげる場面を見たことはありませんか?
それは御霊遷し(みたまうつし)や遷霊の儀(せんれいのぎ)などと呼ばれ、
神葬祭のクライマックスにあたります。
神葬祭では故人の肉体は滅びても、御霊はこの世に止まり、
子々孫々守り続けていくとされています。
その大切な御霊を故人の肉体から引き出し、
御霊代(仏教で言うお位牌かな?)に遷す瞬間が御霊遷しなのです。
実際、御霊はこの瞬間四方八方に飛び散り、
家の神棚やお墓、庭木、故郷の野山を初め、
常に子孫の傍らに宿ると言われています。
では、なぜ会場を真っ暗にするかと言いますと、
以前この儀式はお通夜、つまり夜に行われていたからです。
余談ですが、古代においては殯(もがり)と言って、肉体が朽ち果てるまでが弔いとされていました。
そして、野にさらした肉体が白骨化して初めて喪が明けていたと言われています。
そうした様々な儀礼文化のなごりとして、
今でも会場を暗点にして御霊遷しの儀式が行われているのです。
もし今度この場面に遭遇したら、
この瞬間に故人の御霊が遷されているのだなあと思ってください。
ノエル「おとうたん…お勉強になりまちた…お礼に指を噛んであげるじょ…」
ふじもと美誠堂は
本日もご遺族の悲しみに寄り添い、
その折れそうな心を支えてまいります。
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